年末に88才になる方と話す機会があった。
彼は第二次世界大戦の時に、徴兵されロシアで戦い、
戦争終了後も人間性をなくす地獄のシベリア抑留を経験し、数々の友を現地で亡くした。
なんとか日本に帰る事ができた彼は、お国のために戦い、
青春を戦争で過ごし、抑留中に現地で亡くなってしまった友人を、靖国神社へ
合碑してくれるよう頼みつづけたが、結局一緒にまつられる事はなかった。
当時「戦争終了後に、抑留などの理由で現地で(病気などで)亡くなった人は合碑できない」といわれたらしい。
国のために戦い、抑留され戦争後に命を失った人間は祭られないが、
戦争終了後に日本で戦犯として死刑になったA級戦犯は、あとからでも合碑されてしまう靖国神社。
結局は、お国のために命の落とした方々を純粋に祭ろうとした思いが
政治のための「建前」に利用されている訳だ。
その時代を経験した人がいなくなってしまう前に、
真実が見えなくなる前に、歴史を紡いでおく必要があるだろう。